ケガの応急処置アイシングを正しく行うには?

2023年10月03日 13:41

先日、子どものバスケ合宿に保護者として帯同した際、アイシングのやり方についてご質問を受けました。

アイシングの目的は炎症を抑え、腫れ・痛みを緩和させることでケガの悪化を防ぐことですが、正しく行えている人は意外と少ないようです。

そこで今回は、アイシングの効果を最大限得るために気を付けて頂きたいポイントをご紹介します。

ケガに対してアイシングを行うとどうなる?

患部を冷やす事で血管が収縮し、腫れや内出血を最小限に抑えることができます。
また、痛みを伝える神経の興奮を鎮めることにより、麻酔効果も期待できます。

アイシングの方法は?5つのポイントをご紹介!

スポーツの現場で最も多く使われるのは、氷嚢(ひょうのう)によるアイシングです。

氷嚢(なければビニール袋など)の中に氷を入れ、患部を直接冷やす方法ですが、この時に注意して頂きたい5つのポイントをご紹介します。

① 水は入れない

基本的に、氷嚢の中に水は入れません。(少量ならOK)水を入れると氷が溶けやすくなる為です。
氷の表面にある霜を落とすため、水で流した氷を使用すると良いでしょう。

ザルに入れて水で流した氷

ただしビニール袋の場合は氷嚢に比べて薄いので、冷たすぎると感じる場合には少量の水を入れても良いと思います。

②氷嚢の中の空気を抜く

重要なポイントです。中に空気が入ってしまうと患部に密着しづらくなり、アイシングの効果を得られない場合があります。

空気の抜き方には以下2つの方法があるので覚えておいてください。

1.中の空気を搾り出す

氷嚢に氷を入れたら、雑巾を絞るように中の空気を搾り出し、空気が抜け切ったところで蓋をします。
僅かに空気が入り込んでしまいますが、スピーディーにできるのが特徴です。

2.口で吸い出す

氷嚢に氷を入れ、形を平らに整えてから口で空気を吸い出す方法です。
空気はしっかりと抜けますが、衛生面に気をつけましょう。

③患部に密着させる

中の空気を抜いても、患部から外れた所を冷やしてしまうと効果は得られません。
しっかりと患部に当て、更に弾性包帯などで軽く圧迫すると良いでしょう。
冷たすぎる場合には、水で濡らしたタオルを挟んでも良いと思います。

④1回15〜20分程度(感覚がなくなるまで)

アイシングでは血管を収縮させた状態を、ある程度の時間、持続させることで効果を発揮します。
患部に氷嚢を当てると、始めは冷たく、針でつつかれるような痛みを感じますが、しばらくすると暖かく感じるようになり、その後、感覚がなくなります。(麻酔効果が現れる)

それまでの時間が概ね15〜20分程度ですので、それぐらいを目安にしてください。

⑤1日に複数回行う(受傷直後、入浴後、翌朝など)

アイシングの麻酔効果や血管収縮の効果は一時的で、アイシングを止めてしばらくすると再び血管は拡張します。
その際、ズキズキと痛みが出るようなら炎症は続いている証拠ですので、繰り返しアイシングを行いましょう。

その他の冷却方法

アイスバス

バケツの中に水と氷(保冷剤なども)を入れ、患部を浸ける方法です。
足首の捻挫などに効果的です。

アイスカップ

紙コップの中に水を入れて凍らせ、コップ上部1〜2センチほどを切り取って氷を露出させ、患部に直接当てる方法です。
事前に準備が必要なことと、凍傷を防ぐ為に一点に留めずゆっくり動かす事が重要となります。

凍傷に気を付けて!こんなやり方はNG!

長時間のコールドスプレー

コールドスプレーは急激に冷やすことによる麻酔効果が期待できますが、体の表面しか冷やせません。
連続して当て続けることで凍傷の危険性が高いので、注意して使用しましょう。

冷やしすぎ

氷で直接冷やしたり、長時間のアイシングには注意が必要です。
20分程度または感覚がなくなるのを目安に、一時中断しましょう。

まとめ

アイシングは、ケガの応急処置としては最も身近で効果的です。
より早期に競技復帰できるよう、正しく行いましょう。

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