小・中学生の野球指導をしていると、
「子どものうちから筋トレをするのは良くないですか?」
という質問を受けることがあります。
私自身も治療家を志す前から、
「筋トレをすると柔軟性が失われる」
「子どもが筋トレをすると背が伸びなくなる」
などという言葉を耳にした記憶が幾度となくありますが、果たしてそれは本当なのでしょうか?
適度に運動をすると、
・成長ホルモンの分泌が促進される。
•骨や筋肉に対して物理的に刺激が加わることで成長因子が活性化される。
•全身の血行が促進し、成長ホルモン分泌に必要な栄養素が全身に行き渡りやすくなる。
•運動による適度な疲労感は、質の良い睡眠にも繋がる。
などの要因により、子どもの成長にとってはむしろプラスに働く事が多いようです。
ただし、必要な栄養素の補給が追いつかないほどのエネルギー消費が激しい運動や、長時間の運動で睡眠時間が削られるなど、過度なトレーニングは避けるべきだと言えるでしょう。
「筋トレをすると柔軟性が失われる」というのは誤解であることが多く、正しい方法で行えば柔軟性を向上させる効果も期待できます。
ポイントは以下の3つです。
正しいフォームでトレーニングを行うことで、筋肉に適切な負荷がかかり、関節への負担を減らしながら柔軟性を高めることができます。
重い重量を扱うために、関節の可動域を狭めてトレーニングを繰り返すと、その可動域でしか筋肉を使わなくなり、結果的に柔軟性が低下する可能性があります。
関節の可動域を最大限に活かしてトレーニングを行うことで、筋肉の伸張性が向上し、柔軟性の維持・向上につながります。
特に成長期には、重量を上げることよりも正しいフォームを習得し、フルレンジで行うように心がけましょう。
筋トレによって筋肉が疲労し、緊張が高まった状態で放置すると、筋肉の伸長性が失われる場合があります。
特に、同じ部位を長時間鍛え続けたり、十分な休息やケアをしない場合に起こりやすいです。
筋トレ前には動的ストレッチで体を温め、筋トレ後には静的ストレッチでクールダウンし、筋肉の緊張をほぐしましょう。
筋肉を肥大させるには、負荷を大きくしたり、高重量のウエイトトレーニングを行う必要があります。
しかし成長期の体にとってはオーバーワークとなり、ケガに繋がりやすくなってしまいます。
また、『テストステロン』という男性ホルモンが筋肉の発達に非常に重要な役割を担っており、男性が女性に比べて筋肉がつきやすいのは、このテストステロンの分泌量が多い為なのですが、このホルモンが分泌されるのは、声変わりや体毛が濃くなる、ニ次性徴の時期となります。
つまり、ニ次性徴を迎えている子とそうでない子では、同じトレーニングメニューに取り組み同じ栄養を摂取していても、差が出てしまうのです。
これらの理由から、小・中学生の間は高負荷のトレーニングよりも正しいフォームの習得や、幅広く様々な運動を経験することをおすすめします。
成長期に行うトレーニングとして適切なのは、以下のポイントです。
•自重トレーニングなど、適度なトレーニングは成長ホルモンの分泌を促進させる。
•関節可動域を狭めないため、フルレンジで行う。
•トレーニング前後のストレッチは大切。
•重量の重さよりも、正しいフォームを追求する。
いかがでしたか?
運動や医学の常識は、時代とともにアップデートされて行きます。
私自身も子供と接する機会が多いので、科学的根拠に基づいた指導を心がけて行きたいと思います。
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